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和の場所と技術があふれる場所。

代々受け継がれてきた伝統芸術、日本刀を嗜む。虎ノ門 日本刀剣

 

「日本刀」と聞くと「武士」=「武器」というイメージがありますが
現在はもちろん「武器」として制作使用することはなく、日本を代表する「美術工芸品」のひとつとして世界中から評価される芸術品となっているのは周知の事実ですね。
日本国内での刀の作成はかなり古い時代から作られていましたが、
「日本刀」からイメージする形になったのは平安時代後期からと言われています。
実際に腰に差していた頃は携帯性の高さ、利便性から戦場の武器としてよりも、身を守るための護身用という意味合いも強かったようですね。

 

当時の戦で実際に使用されたのは刀よりも弓矢や槍が殆どで、刀は守護神、一家の守り刀として代々受け継がれてきたが故に現在まで良い状態で残っているのです。
逆に弓矢や槍は保存状態の良いものは殆ど残っていないそう。

 

東京の中心、桜田通り国道一号線沿いに鎧や兜をディスプレイするお店があります。
以前から気になってはいたのですが、中々入る勇気がなく・・
そこで取材としてお伺いすることに。
今回お邪魔したのは虎ノ門で刀剣を扱う「日本刀剣」さん。
前身は明治時代に中央区で骨董業からスタートし、1923年の関東大震災を機に現在の虎ノ門桜田通り沿いに移転し、お店を構えます。
現在は刀剣をメインに鎧、兜、鐔という美術品の販売、研磨、鞘制作を行っています。

 

そんな老舗のご主人、4代目社長の伊波賢一さんにお話を伺うことができました。

 

店舗1Fショールームのガラスケースの中にディスプレイされる真剣と模造刀(手前)。お土産に人気とのこと。

 

店舗には1Fと2Fにショールームがあり、兜や鎧、模造刀、真剣、鐔が詳細説明を添えて飾られています。

 

日本刀は、大きく分けて刃の部分を表す「刀身」に握る部分の「柄」、柄と刀身を遮る「鐔」、刀身部分のカバーの役目をする「鞘」の4つに分けられますが、各部が更にパーツが分かれていて、各部分を個別の職人が手がけています。そのひとつひとつのパーツには意味があり、全てが機能的です。
刀一振り(一本)に対して何人もの手によって作られているんですね。

 

「装飾品」としてのパーツも多く、観察していくと驚く程繊細に美しく仕上げられています。

 

陸側に馬上の源氏方と海側に船に乗る平家方が戦う源平合戦を見事に再現した鐔。

 

刀身から自身の拳を守る役目の「鐔」は、美しい模様が彫られているものが多く、独立した美術工芸品としての価値が高い刀装具のひとつです。
このひとつひとつが人の手で彫られ、仕上げられていくのもまた驚きです。
ちなみに柄側が表になるようですが、正面から見て身体の外側、つまり相手から見て右側にメインの装飾が施され、周りによく見えるようにデザインされています。
この美しい図柄を眺めていると、世界でも多くの愛好家が注目しているということが良くわかりますね。

 

刀身を収める鞘の鐔の付近には、表側に「笄(こうがい)」と呼ばれる髪を直したりする身だしなみ用の小道具が、裏側には「小柄(こづか)」という小刀が収められています。どちらにも動物や植物などさまざまな装飾が入ります。

 

柄の表裏上に柄糸で固定される金具を「目貫(めぬき)」といい、左右非対称に作られるこのパーツも繊細な装飾が施され、見る人を楽しませてくれます。

 

こうやって見ていると、いかに多くのパーツで構成されているのかが分かります。

 

 

そして、日本刀を象徴する美しさの要は「刃文」と、刀全体の姿形をつくる「反り」そして鍛錬された「鍛え」です。
「刃文」は刀身を作る工程の焼き入れ時につけられる白い波のような模様。
刀工の個性が出るところで、この出来映え如何で刀の価値が左右される程重要な部分だそう。
「反り」は焼き入れ時の温度差で弧を描くように湾曲し、実際に截断時に衝撃を和らげ、少ない力で截ち斬る機能を取り入れたもの。
「刃文」も「反り」も、日本刀の美しい造形を様々な角度から鑑賞するときの醍醐味ですね。

 

江戸時代の鎧

 

西洋の鎧と違い、鹿革と金属に漆を組み合わせて軽く強靱に、瞬時に畳めてコンパクトに仕舞える、という日本人の知恵があらゆる場所に活かされています。
これで約20kg弱だとか。
素材が織りなす美しさと迫力がこの鎧にも現れていますね。

 

 

ひとつの鉄の塊を刀工が叩きながら、あの美しい形に仕上げる技術は永い年月の中で衰退の危機を耐え、現代に伝えられています。
刀工の魂が宿る迫力と美しさは他には代え難い日本の宝。
それを「戦の兵器」ではなく、「日本の美」として受け継がれてきた芸術を後生に残す、ということを大切にしていきたいですね。
今回の取材で、日本が誇るこの伝統的な技を日本人として知っておくべきだと改めて感じました。

 

日本刀剣 伊波賢一社長

 

今回お話をお伺いした伊波社長、虎ノ門で生まれ育ったということで、刀剣以外にも周りの老舗やローカルな話題に詳しく、楽しい時間を過ごすことができました。
スタッフの方も素人の筆者に分かりやすく丁寧に説明していただきました。
刀剣に興味のある方、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

日本刀剣
〒105-0001
東京都港区虎ノ門3丁目8−1
03-3434-4321

http://www.japansword.co.jp/

 

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